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一定㎡あたり籾数での試験結果について | 2012-05-14 |
| | 一定㎡あたり籾数での試験結果について | 過去、水稲品質向上に向けた研究が数多く報告されています。 籾数制限技術の一つとされている疎植栽培は、穂数を減らし㎡籾数が少なくなることで登熟の向上効果があると報告があります。一方で、制限された同程度の㎡籾数なら、疎植栽培でない方があきらかに登熟向上が認められます。 このように、30年ほど前からすでに実証されている、画像ファイルに示すように簡単にわかる同程度の㎡籾数で、大きく異なる穂数、または疎植栽培と例えば70株/坪程度の、整粒、粒厚、収量等が比較調査されている最近の報告が他にもあればお教え下さい。 なお、こちらでは、調査結果から一穂籾数の制限などで、地域の一等米比率46%向上に寄与しております。 |
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| | 守田ら(2011)の緒言に、ご質問の内容の参考になる近年の知見について下記の1)、2)の記述があります。   1)栽植密度が高すぎると葉色の極端な低下による玄米品質の低下(高橋ら 2004)や、1穂籾数の減少による収量の低下(若松ら 2004)を招く。 2)一方、栽植密度が低すぎた場合には、1穂籾数の増加による乳白粒の増加(高橋ら 2004)や単位面積当たりの籾数の減少(井上ら 2004)、収量や品質の不安定化(若松ら 2004)といった問題が報告されている。   これらの知見に対して、守田ら(2011)は、疎植の品質向上効果は移植時期によって異なることを新たに報告しています。すなわち、4月下旬移植では、70株/坪の密植により過繁茂状態となり登熟期の窒素濃度が低下して、白未熟粒の発生が助長されること、一方、5月中旬移植では密植にしても窒素濃度が大きく低下することなく、むしろ50株/坪の疎植による1穂籾数および弱勢穎果の増加が白未熟粒の発生を助長したと考察しています。守田らは、この結果が高温年であった2006年にも得られていることから、晩植と密植の組み合わせが、温暖化した場合の品質向上技術の一助になるのではないかと述べています。   引用文献 守田ら(2011) 富山県における水稲品種「コシヒカリ」の高温登熟回避を目的とした晩植栽培に適した栽植密度.日作紀80巻2号:220-228. 高橋ら(2004) 高温条件における乳白、基白、背白粒発生に関する研究.1.生育初期の高温条件が及ぼす影響.日作紀73巻別2号:282-283. 若松ら(2004) 鹿児島県早期栽培コシヒカリの収量構成要素及び食味に対する栽植密度の影響.日作九支報70巻:7-9. 井上ら(2004)水稲品質食味要因の安定性に関する解析的研究2.疎植条件が水稲の物質生産と収量品質に及ぼす影響.福井農試研報41:16-28. |
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