青森県における胴割米の発生要因とその軽減対策 (平成23年度青森県指導参考資料) | 2012-01-12 |
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●(地独)青森県産業技術センター農林総合研究所 生産環境部 研究管理員 境谷栄二 |
背景 | 近年、青森県津軽中央地域では、胴割米による品質低下が問題となっている。特に、高温年であった平成19年には、落等要因の8割を胴割米が占めた。そこで、平成21年から2年間、同地域にある平川市の水田地帯を対象に、約200地点について複数時期に刈取りを行い、胴割米発生の実態調査を行った。以下はこの解析結果である。  
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症状 | 胴割米は、米の中央部にひび割れ(写真の矢印)が発生した米である。ひび割れは、米の横方向に一本又は複数本発生する。胴割米が多い場合は、等級検査で落等するほか、砕米が多くなることで食味も低下する場合がある。  
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発生要因 | 「出穂後6~10日の高温」と「刈取時期の遅れ」が主要因になっているほか、地理的に夏季の用水温が高い「平川水系」の地域で発生しやすいことが判明した。なお、玄米タンパク含有率については、影響が小さかった(表1、図1)。  
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対策 | 胴割米発生率と検査等級の関係は、グレインスコープで調査した胴割米発生率が30%以上になると落等が多くなる傾向がみられた(図2)。また、出穂後6~10日の高温については、この間の日最高気温の平均が30℃以上となった場合に、落等が懸念されるレベルである胴割米発生率30%以上となる圃場が多かった(図3)。 発生要因および以上のことから、対策として、「出穂後6~10日の最高気温」が30℃以上となった場合、「成熟期後の早めの刈取り」や「早過ぎる落水の防止」を徹底することで、胴割米の発生軽減が期待できると考えられる。特に、水系の用水温が高い地域では、重点的に対策を行う必要がある。    
 
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参考資料 | 平成23年度青森県指導参考資料「胴割米の発生要因とその軽減対策」:地方独立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所HP ▼普及に移した技術 |
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